生活の質向上の観点から考える健診の受診勧奨

健診とは健康診断のことであり、健康状態をチェックし、生活習慣を見直して病気を予防することが目的です。その結果、検査で異常が見つかり病気の早期発見につながることもあります。検査の数値だけでなく、問診を含む医師の診断も重要になってきます。健診の実施は保険者や事業者に対して義務付けられており、国では2020年までに健診受診率を80%にするとの数値目標を掲げて受診勧奨を行なっています。健診を受けることにより、生活習慣病などの自覚症状のない病気を予防、発見することができ、健康改善などの指導を受けることができます。また、重篤な疾患の兆候を発見することにもつながります。国民が健康になれば医療費も少なくなり、保険料を値上げせずに済むのですから、健診の受診勧奨は重要です。医師の診断を伴わない簡易の検査結果のみで終わらせてしまう人への健診受診勧奨も行なっています。

健診受診率の高い地域の取り組み

健診受診率の高い地域での受診勧奨はどのように行われているのでしょうか。細かいことではありますが、受診券を大きなサイズにして紛失を防止したり、電話番号を必ず記入してもらう欄を設けて結果を取りに来ない方などへの連絡に利用したり、受診券の裏面に問診票や結果記入欄をつけて一枚で全てがわかるようにしたり、というようなことをしています。細かい配慮が受診率の増加につながっています。また、受診勧奨ハガキには、受診を拒否する理由別に受診するメリットを紹介する記事などを掲載し、わかりやすくアピールしています。さらに、電話による受診勧奨も行なっています。本人と話したのか伝言を残したのか、受診に前向きだったのか拒否されたのか、その理由は、というような記録も残し、翌年以降の受診勧奨にもつなげるようにしています。そうした一つ一つの努力が受診率の向上につながっているのです。

対話をすることで人の心を動かす

健診の受診勧奨において、効果的であると思われるのは電話による勧奨です。電話勧奨を行った方の約4分の1がその後健診を受診されたというデータがあります。ハガキなどでは読まれずに終わってしまうことも多いでしょう。検査を受けたからいい、普段病院に通っているからいい、などと思っている方はそのハガキを詳しく見ることはないでしょう。けれどそうではないのだと直接説明を受ければ思い直すかもしれません。直接話をすることで理解は深まります。手間はかかりますが、人と人が個人的に対話をすることで心を動かされるのでしょう。また、健診にかかる料金を少なくするというのも受診率の向上には効果的です。特定健診を無料で行なっているところもあります。課題はまだまだたくさんありますが、とりわけ全国的に受診率の低い40〜50代の方をいかに受診に導くかというのは大きな課題となっています。